第2章

アイテム選びの基準を知る(目的と3大カテゴリー)

【この記事の要約】 ※この記事は約10分で読めます。
  • 課題:自由な「カジュアルファッション」のアイテムには多くの種類があり、どんな基準で選べばよいのかわからない。

  • 構造:「着ること」にはその目的(TPO)があり、4つのWで整理できる。またカジュアルウェアは2軸整理法から主に3つのカテゴリーに分類することができる。

  • 解決策: ①目的(TPO)と②3大カテゴリーの相関から、アイテム選びの方向性、ポートフォリオを決める。迷ったときは「ケースA:標準型」を基準とする。

1.4つのWから「着る目的(TPO)」を明らかにする

服を選ぶ前に、まずビジネスで使い慣れたフレームワーク「5W1H」をファッションに応用し、「着る目的」を決めます。このステップを飛ばして「どの服がお洒落か?」と悩むのは、目的地を決めずに電車に乗るようなものです。
プライベートにおけるTPOは、以下の4つのW(いつ、どこで、誰と、何をする)の組み合わせで整理できます。

① When(いつ):季節と時間帯

  • 季節: 服装選びの物理的な条件。気候への対応が一番重要ですが、着る服で季節感を表現することもできます。

  • 時間帯: 昼は明るい色やラフな素材が馴染み、夜は暗めの色や光沢のある素材が映えます。

② Where(どこで):シチュエーション

  • 街中・屋内: 洗練された街角や、ホテルのラウンジ・レストラン。ここでは「場に調和する」きれいめな装いが求められます。

  • 自然・屋外: 公園、海、キャンプ場。汚れを気にせず動ける機能性が優先されます。

③ Who(誰と):相手とのバランス

  • パートナー: 隣を歩く相手が恥ずかしくない格好か? 相手の服装とバランスをとる等。

  • 友人: 気を遣わせないラフさやリラックス感を重視する。

④ What(何をする):アクティビティ

  • 静的な活動: 映画鑑賞、食事、ドライブ。見た目重視でOK。

  • 動的な活動: 運動、BBQ、旅行。動きやすさや体温調整のしやすさが重要。

2. ファッションをマトリクス(2軸)整理法で整理する

複雑な情報や課題をシンプルに整理する方法として「マトリクス(2軸)整理法」が有名ですが、ファッションも同様に、以下の2つの軸で分解すると、その立ち位置がわかりやすくなります。

縦軸:社会性の軸(仕事 ~ プライベート) 「TPO(時・場所・場合)」に関わる軸

  • 上方向(仕事/公的): 規律やルールが求められる場面。労働や実務を行う時間。

  • 下方向(プライベート/私的): 自由やリラックスが許される場面。余暇を楽しむ時間。

横軸:印象の軸(エレガント ~ タフ)「視覚的なイメージ」や「機能」に関わる軸

  • 右方向(エレガント/静): 上品、繊細、静的。見た目の美しさや整然さを重視したもの。

  • 左方向(タフ/動): アクティブ、機能的、動的。頑丈さや動きやすさを重視したもの。

まずは、この十字のマップを頭に思い浮かべてください。全ての服は、このマップのどこかに配置されます。

【図:ファッションの2軸マップ(マトリクス整理法)】

3. 4つの象限と「3つのカテゴリー」

この2軸を組み合わせると、ファッションは以下の4つのエリア(象限)に分類されます。

  1. ビジネス(仕事 × エレガント):スーツ、ビジネスシャツなど。

  2. ワーク・ミリタリー(仕事 × タフ):作業着、軍服、ジーンズなど。

  3. スポーツ・アクティブ(プライベート × タフ):運動着、スニーカー、パーカーなど。

  4. フォーマル・パーティ(プライベート × エレガント):燕尾服、冠婚葬祭用の礼服、社交パーティ用の衣装など。

当サイトでは、ここからさらにシンプルに思考するために、右側の「エレガント」な領域にある「1. ビジネス」と「4. フォーマル・パーティ」を統合して「①ドレスウェア」とし、以下の「3大カテゴリー」として定義します。これが、カジュアルファッションを構成する基本分類となります。

① ドレスウェア(Dress)

  • 構成: 「ビジネス」+「フォーマル・パーティ」

  • 特徴: 権威、品格、大人っぽさの象徴。

  • アイテム例: テーラードジャケット、スラックス、白シャツ、革靴、ロングコート、タキシード。

  • 役割: コーディネート全体を引き締め、信頼感や清潔感を与えます。

② ワークウェア(Work)

  • 構成: 「仕事(労働)」×「タフ(機能)」

  • 特徴: 厳しい環境での労働や戦闘のために開発された、耐久性の象徴。

  • アイテム例: ジーンズ(鉱夫)、チノパン(軍人)、カーゴパンツ(作業員)、MA-1(パイロット)。

  • 役割: 男らしさ、武骨さ、実用的な親しみやすさを加えます。

③ スポーツウェア(Sport)

  • 構成: 「プライベート(余暇)」×「タフ(活動)」

  • 特徴: 競技や運動、リラックスのために開発された、快適性の象徴。

  • アイテム例: Tシャツ、ポロシャツ、スウェットパーカー、ダウンジャケット、スニーカー、キャップ。

  • 役割: 軽快さ、リラックス感、スポーティな若々しさを加えます。

【図:カジュアルファッションの3つのカテゴリー】

4.目的(TPO)とカテゴリーからアイテム選びの方向性(ポートフォリオ)を決める

ここがアイテム選びの重要なステップです。自分のライフスタイルや目的(TPO)に合わせて、どのカテゴリーのアイテムを合わせるのが良いか?を決めていきます。

このステップは、日々のコーディネートを組み立てる際のアイテム選定のほか、自分が保有するカジュアルファッションアイテムのラインナップを決めるうえで、「どのカテゴリーを重点的に持つべきか(ポートフォリオ)」を決める指針となります。

以下に、3つの主なポートフォリオ・ケースを紹介します。これから自分のアイテム選びをする際の参考にしてください。

ケースA:趣味・リラックス重視タイプ(標準型)

  • 主なTPO: 友人との飲み会、映画鑑賞、書店巡り、カジュアルな通勤。

  • 構成比: 「ドレス:2割」 「ワーク:4割」「スポーツ:4割」

  • 解説: いわゆる「きれいめカジュアル」と呼ばれる、最も汎用性の高い組み合わせ。ジーンズやチノパンをベースに、気分に合わせてトップスを変えるスタイル。

  • 狙い: 気負わずリラックスしているが、だらしなく見えない「大人のバランス」。

ケースB:社交・デート重視タイプ(都市型)

  • 主なTPO: レストランでの食事、美術館、ショッピング、ホテルのラウンジ。

  • 構成比: 「ドレス:6割」「ワーク:2割」「スポーツ:2割」

  • 解説: 基本はジャケットやシャツなどの「きれいめ」で固めつつ、スニーカーなどで少し「抜け感」を出すスタイル。ワークウェア(土臭い服)定番のジーンズ以外はあまり必要としません。

  • 狙い: 相手への敬意と、洗練された大人らしい雰囲気を演出する。

ケースC:外出アクティビティ重視タイプ(郊外型)

  • 主なTPO: 公園遊び、キャンプ、車移動、ショッピングモール、近所のカフェ。

  • 構成比: 「ドレス:2割」「ワーク:3割」「スポーツ:5割」

  • 解説: 動きやすいスポーツ系アイテムがメイン。ワークやドレスを少し混ぜて「街着」としてのバランスを保ちます。

  • 狙い: 清潔感のあるアクティブスタイル。

5.まとめ

これらのケースは個々人のライフスタイルや、その時点の状況に応じて変化する場合もあります。ひとつに絞り込みにくい場合には、まずは「ケースA:標準型」を基準にすると良いでしょう。また、各アイテム選びの迷ったときには、再度このページの内容に戻り、目的・用途を整理すると「迷い」が減ります。

次章からは、これら3つのカテゴリー(ドレス・ワーク・スポーツ)に属する、具体的な「定番アイテム」を紹介していきます。

上で紹介したケースなどを参考に、「自分にはどのカテゴリーが必要か?」というフィルターを持って読み進めてください。それが、無駄な買い物を防ぎ、効率的・効果的なクローゼットを作る最短ルートになります。