第3章

定番アイテム(春/夏・通年編)

【この記事の要約】 ※この記事は約12分で読めます。
  • 課題:コーディネートを効率的に組み立てるには、パーツとなる「定番」アイテムを知ることが重要。

  • 解決策:この章では、春夏および通年定番の10アイテムを起源、用途を含めて解説・紹介。

  • 結論:定番アイテムが「ドレス」「ワーク」「スポーツ」の3カテゴリーに跨っている事を、アイテム観点からも知る。

1.はじめに:なぜ定番アイテムをそろえるのか?

コーディネートを組み立てるうえで、部品である各アイテムの選定は重要です。洋服は多くの種類があって選定に迷いますが、組み合わせやすい「定番」アイテムを押さえることが、コーディネート組み立ての近道になります。

ここでは、長い歴史のなかで現代も生き続けている「メンズカジュアルファッションの定番」のうち、春夏の季節向けのアイテムを紹介します。なお、春夏アイテムは年間を通して使えるアイテムばかりなので「春夏アイテム=通年アイテム」としてご覧ください。

2.インナーウェア

春夏の主役とも言える、直接肌に近いアイテム群です。「シンプルであること」と「素材の良さ」「清潔感」が重要視されます。

① クルーネックTシャツ(半袖)(白、黒、ボーダー)

カジュアルファッションの進展により、今は一枚で着る「主役」です。肌着に見えない選び方が重要になります。

  • 起源と現在のカテゴリー : スポーツ・ミリタリー ⇒ スポーツ

    もともとはアメリカ海軍のアンダーウェア。映画スターの影響で、自由と反骨精神の象徴としてアウター化。伸縮性や着心地の良さ、手軽さからスポーツシーンでも多く活用されています。ボーダーシャツはバスク地方の漁師の作業着が起源。

  • 用途 : 真夏の一枚着、ジャケットやシャツのインナー(抜け感演出)

  • 選び方のポイント:

    ✓ 素材 : ペラペラの生地はNGです。肌が透けない、厚手の素材を選んでください。耐久性が高く、ガシガシ洗ってもへたりません。綿100%か綿混毛のものを選びましょう。

    ✓ サイズ : ジャストサイズ〜少しゆとりのあるサイズ感で。ピチピチすぎると下着に見えてしまいます。

② ポロシャツ(白、黒、紺)

「Tシャツではラフすぎるが、襟シャツでは堅苦しい」「Tシャツのみでは飽きる」そんなジレンマを解決する最適解です。

  • 起源と現在のカテゴリー : スポーツ ⇒ スポーツ

    テニスウェアとして開発され、後にポロ競技でも採用されました。襟があるため「ドレス」の要素も兼ね備えた、大人のためのスポーティウェアです。いまでは「襟付きシャツ」の視点でビジネスカジュアルでも多用されています。

  • 用途 : 夏のデート、クールビズ、ゴルフなどのアクティブシーン。

  • 選び方のポイント :

    ✓ 素材 : 表面に凹凸があり、通気性に優れた「鹿の子(かのこ)編み」が基本です。綿100%か綿混毛のものを選びましょう。(100%化繊はリアルスポーツウェア)

    ✓ デザイン : 胸にワンポイントのロゴはOKですが、派手なライン入りや大きなロゴは野暮っぽくなるので避けましょう。

③ オックスフォードボタンダウン(BD)シャツ(白、サックスブルーストライプ)

カジュアルでもビジネスでも使える、メンズシャツの王様です。カジュアルシーンでは洗いざらしでも風合いが生きます。

  • 起源と現在のカテゴリー : スポーツ・ドレス ⇒ ドレス

    ポロ競技中、風で襟がパタパタしないようにボタンで留めたのが始まり(ボタンダウン)。アイビールックの象徴的アイテム。

  • 用途 : 年中無休の万能選手。一枚で着ても、ニットやジャケットのインナーとしても活躍します。

  • 選び方のポイント :

    ✓ 素材 : ざっくりとした粗い織り目の「オックスフォード生地」を選んでください。耐久性があり、シワも味になります。

    ✓ 着こなし : 裾を出して着る場合は、着丈が長すぎないものを選ぶのがポイントです。

④ ギンガムチェック(白×紺、白×黒など)

無地中心になりがちなメンズコーデに、アクセントを加えるアイテム。ギンガムチェックは最もシンプルで清潔感のある印象があり、取り扱いやすいチェック柄です。

  • 起源と現在のカテゴリー : ドレス・ワーク ⇒ ワーク

    東南アジアが起源で、18世紀にイギリスで発展して現在の柄になり、様々な洋服やインテリアに採用され発展。

  • 用途 : シンプルなジーンズやチノパンに合わせるだけで、装いが華やかになります。

  • 選び方のポイント :

    ✓ 柄の大きさ :柄が細かいほどドレス寄り(大人っぽい)、大きいほどカジュアル・ワーク寄りになります。

    ✓ 色数 : 多色のものもありますが、色数が少ない(白+1色程度)ほうがコーディネートしやすくなります。

3.ミドルウェア

ミドルウェアは、「インナーウェアとアウターウェア」の中間に位置する服で、気温調節の対応や、コーディネートに深みを持たせるアイテムです。春夏には「羽織りもの」としてアウターウェアの役目にもなります。

⑤ 春夏用カーディガン(黒、ライトグレーなど)

ジャケットほど堅苦しくなく、パーカーほどラフすぎない。「しっかり&リラックス感」を両立するアイテムです。

  • 起源と現在のカテゴリー : ワーク・ミリタリー ⇒ ワーク

    クリミア戦争時、イギリス陸軍で負傷兵が着脱しやすいようにセーターの前を開いた防寒具がはじまり。考案者「第7代カーディガン伯爵」の名前から命名された。

  • 用途 :ジャケット着用よりカジュアルな場面、Tシャツ一枚では心許ない時の羽織りや冷房対策にも使えます。

  • 選び方のポイント :

    ✓ 素材 : 春夏は通気性のよい綿やリネン(麻)、化繊素材を選びましょう。ウールは秋冬用です。

    ✓ 編み方 : 編み目が細かくツヤのある「ハイゲージ」を選ぶと上品に見えます。カジュアル感を強めたい場合は中間の「ミドルゲージ」を選ぶ。

⑥ スウェットパーカ(白、ライトグレー)

スポーティでリラックスした印象を与える、春夏オフタイムの王道トップスです。

  • 起源と現在のカテゴリー : スポーツ・ワーク ⇒ スポーツ

    アメリカでアスリートの練習着や、防寒用作業着としてスウェットシャツにフードを付けたものがはじまり。

  • 用途 : 休日のリラックススタイルや、アクティブシーンのアウターとして。ジャケットのインナーとしてカジュアル感をUPさせる着方もあります。

  • 選び方のポイント :

    ✓ デザイン : ジップアップ(前開き)は「羽織りもの」アウターとしても、ミドルとしても使いやすい。「プルオーバー(被り)」タイプはフードが綺麗に立ちやすく、防寒性が高いなどのメリットもあります。

    ✓ 素材:基本は厚手のスウェット素材。中にはインナー寄りの薄手のものもありますが、中~厚手がおすすめです。

4. アウターウェア

アウターウェアは「一番外」に着る服で、コーディネート全体の印象を決定づけるアイテムです。

⑦ 春夏用 テーラードジャケット(黒、紺)

英国の「ラウンジスーツ」が起源とされ、貴族のカジュアルウェアから紳士服の主役になりました。その後生地や作り、ディティールが変化し、現在はカジュアルウェアとしても定着しています。

  • 起源と現在のカテゴリー : ドレス ⇒ ドレス

    紳士服のスーツの上着がベースで、テーラード(Tailored)とは「仕立て」の意味です。仕事用のジャケットは芯がしっかりしたウール素材が多いですが、カジュアル用は素材や構造が異なります。

  • 用途: デート時やレストラン、美術館、ビジネスカジュアルなど、少し「ドレスアップ」をしたい場面に適しています。

  • 選び方のポイント :

    ✓ 仕立て:ビジネススーツにある肩パッドや裏地を省いた、軽い仕立てのものがカジュアル用の主流です。

    ✓ 素材 : 通気性の良い綿、トロピカルウール、機能性化繊がおすすめです。カーディガンのような着心地のニット生地のジャケットもあります。

⑧ デニムジャケット(Gジャン)(インディゴブルー、ライトベージュ)

ワークウェアの無骨さと、ショート丈による軽快さを併せ持つアウターです。

  • 起源と現在のカテゴリー : ワーク ⇒ ワーク

    炭鉱夫や鉄道員のための作業着でジーンズとともにカジュアルウェアに発展。耐久性の塊であり、着込むほどに味が出ます。

  • 用途:チノパンやスラックスと合わせた「ドレス×ワーク」のミックススタイルに最適。春や秋のショートアウターとして。

  • 選び方のポイント :

    ✓ サイズ :大人っぽい着方をする場合には、大き過ぎない「ジャストサイズ」を選びましょう。丈が短めなので、インナーとのレイヤード(裾を少し出すなど)も楽しむことができます。

    ✓ デザイン :「Levi‘s 3rd」「Lee 101J」に近いデザインがベーシックですが、「Levi‘s 1st,2nd」などの「よりワークウェアらしい」無骨なデザインもあります。

5. ボトムス(パンツ)

ボトムスはコーディネートを支える土台です。露出面積が広いので全体のシルエットにも大きく影響します。

⑨ ジーンズ(濃および淡のインディゴブルー、白など)

カジュアルウェアのパンツとしてはNo.1の永久定番。デニム生地のインディゴブルーがメジャーだが、色々なバリエーションがある。

  • 起源と現在のカテゴリー :ワーク ⇒ ワーク

    アメリカのゴールドラッシュ時代の作業着発祥で、Levi’sの「501XX」が現在のジーンズの起源。米国内でのカジュアルウェアとして発展した後、WW2以降に全世界に広まった。

  • 用途:カジュアルファッション、日常着のベースとなるオールマイティなパンツ。

  • 選び方のポイント :

    ✓ 色:ウォッシュ加工ブルーが幅広いコーディネートに合わせられるので一番扱いやすい。ワンウォッシュの濃いブルーや黒はシャープな印象で、ドレスアップ系アイテムとも相性が良い。白は清潔さ、ダメージ加工タイプはタフさ・ワイルドさを演出します。

    ✓ シルエット:様々なシルエットがありますが、はじめの一本はシンプルですっきりした「スリム・ストレート」を選びましょう。

⑩ トラウザーズ(黒、ベージュ)

元々スーツの組下(くみした)として使われるパンツですが、これを普段着に取り入れるのが今の主流です。

  • 起源と現在のカテゴリー:ドレス・ワーク ⇒ ドレス

    トラウザーズとはメンズパンツのうちで「仕立てられた長ズボン」の総称です。主に正装やビジネス用スラックスなどのドレスウェアを指しますが、英国のミリタリーウェアを起源とする「チノパンツ」も含まれます。

  • 用途:ジーンズ以外のカジュアルパンツとして、やや大人よりな選択肢。黒はドレッシーさやコーディネートの引き締め効果、ベージュのチノパンはリラックス感を演出します。

  • 選び方のポイント:

    ✓ 素材:黒はウールやウールライクな機能性素材(ポリエステル混など)が、シワになりにくくケアが楽でおすすめ。「チノパンツ」は綿素材が基本で、ジーンズのようにウォッシュ加工でカジュアル度を高めたものもあります。

    ✓ シルエット:主に「テーバード・スリム」「ストレート」「ワイド」などのシルエットがありますが、おすすめは「テーバード・スリム」。履きやすくコーディネート全体のラインをすっきりさせる、最も取り扱いやすいシルエットです。

6.まとめ

今回紹介したアイテムは、第2章の「3大カテゴリー」を網羅しています。(一部アイテムは主な要素で分類)

  • ドレス要素 : テーラードジャケット、トラウザーズ、オックスフォードBDシャツ

  • ワーク要素 : ギンガムチェックシャツ、デニムジャケット、ジーンズ

  • スポーツ要素 : Tシャツ、ポロシャツ、スウェットパーカ

これらを組み合わせることで、現代的な「メンズカジュアルファッションのコーディネート」が出来上がります。

例えば、「テーラードジャケット(ドレス)」×「Tシャツ(スポーツ)」×「ジーンズ(ワーク)」。これが、異なる3つの要素を掛け合わせた「ミックススタイル」であり、現代の「カジュアルファッション」の実態です。

まずはこの中から、通年向けのアイテムを揃えてみましょう。それが、あなたのカジュアルファッションの強固な基盤となるはずです。