第4章
定番アイテム(秋/冬・靴編)


【この記事の要約】 ※この記事は約12分で読めます。
課題:コーディネートを効率的に組み立てるには、パーツとなる「定番」アイテムを知ることが重要。
解決策:この章では、秋冬および靴の定番9アイテムを起源、用途を含めて解説・紹介。
結論:秋冬アイテムの定番アイテムも「ドレス」「ワーク」「スポーツ」の3カテゴリーに跨っている事を知る。
1.はじめに
ここでは、第3章で紹介した通年の基本アイテムに加える、「秋冬アイテム」と「靴」を紹介していきます。
秋冬のコーディネートは春夏よりも「防寒性」が重視される為、暖かい厚手素材の服や、着丈や面積の広いアウターを中心に紹介します。(なお、ここではボトムスを通年アイテムとして扱い、この章では割愛します。)
2.秋冬のインナー/ミドルウェア
秋冬のコーディネートにおいて、ミドルウェアは「保温」と「装飾」の二役を担います。屋外ではアウターの下で体温を守り、室内でアウターを脱いだ際には、あなたを印象付ける主役になります。
⑪ クルーネックセーター(黒、ベージュ)
Tシャツに代わる、秋冬のインナーのメインアイテムです。襟のない丸首(クルーネック)は、どんなアウターとも喧嘩せず、知的で落ち着いた印象を与えます。


起源と現在のカテゴリー :スポーツ・ワーク ⇒ スポーツ
もともとは北欧の漁師の防寒着(フィッシャーマンズセーター)や、スポーツ選手の防寒着がルーツです。過酷な環境で体温を維持するために発達した、機能美の結晶と言えます。
用途:ジャケットやコートのインナーウェアとして。近年は「Tシャツの上に直接ニットを着る」スタイルが、リラックス感があり主流です。ドレス系シャツの上に着ることもでき、この場合セーターの位置づけは「ミドルウェア」となります。
選び方のポイント:
✓ 素材: ウール(羊毛)100%は暖かさと風合いが一番ですが、ケアの負担を考慮してアクリル混などの「ウォッシャブル(洗える)」素材を選ぶのも合理的な選択です。
✓ 編み目(ゲージ): ここが印象を分けるポイントです。編み目が細かくツヤのある「ハイゲージ」はスーツライクで大人っぽく、ざっくりと太い「ローゲージ」はカジュアルで親しみやすい印象になります。
⑫ 秋冬用カーディガン(黒、ベージュなど)
春夏のカーディガンとは異なり、こちらは厚手の暖かい素材を使い「防寒」面を強化したアイテムです。ジャケットの代わりにもなり得る、頼れる存在です。


起源と現在のカテゴリー : ワーク・ミリタリー ⇒ ワーク
第3章でも触れた通り、傷病兵のための防寒着が由来です。前が開く構造は体温調節がしやすく、現代のオフィスワークや空調の効いた室内でも重宝します。
用途:Tシャツやシャツの上の羽織りとして。また、真冬にはコートの下に着る「ライナー(中間着)」としても優秀で、Vゾーン(首元の開き)がコーディネートに奥行きを与えます。
選び方のポイント:
✓ 素材感の重要性: 通気性の良い春夏用カーディガンを秋冬に着るのはNGです。秋冬は「ウール」または「ウールライクな」厚手の化繊素材を選んでください。防寒性がたかまるうえ、素材感で季節を表現するのが「おしゃれ」の第一歩です。
⑬ テーラードジャケット(秋冬用)(黒、チャコールグレー)
形は春夏と同じですが、素材が変わります。大人の休日や、少し改まった場に欠かせない「ドレス」要素の要です。


起源と現在のカテゴリー : ドレス ⇒ ドレス
第3章でふれた通り、英国の「ラウンジスーツ」が起源とされ、貴族のカジュアルウェアから紳士服の主役になりました。
用途:屋内での用途は春夏用と同様ですが、秋冬のコーディネートでは、テーラードジャケットのうえに冬用アウターを着ることが多い為、⑫秋冬用カーディガンと同様の「ミドルウェア」に位置づけが変わります。
選び方のポイント:
✓ 素材: 起毛感のある「フランネル」や、ざっくりとした「ツイード」など、温かみのある厚手の素材を選びます。ビジネススーツのような生地(ギャバジン、平織り等)は、「仕事着の流用」に見えやすいため避けたほうが良いでしょう。
✓ 色: 黒やチャコールグレーは、他のアイテム(ジーンズやチノパン)と合わせやすく、全体を引き締める効果があります。
4. アウターウェア
アウターウェアは「一番外」に着る服で、コーディネート全体の印象を決定づけるアイテムです。秋冬用のアウターは見た目だけでなく、「防寒」という機能面も重要になります。
なお、ここでは定番秋冬アウターを4点紹介しますが、他のアイテムと比べると高価な為、はじめは「カジュアルな防寒ジャケット(⑭or⑮)」「着丈が長いドレス系のコート(⑯or⑰)」各1着ずつから始めることをおすすめします。
⑭ ダウンジャケット(黒、白)
最強の防寒着であり、現代の秋冬カジュアルアウターウェアの代表格。一着あれば日本の冬の寒さはほぼ克服できます。最近はダウンに近い保温性を持つ、化学繊維の「高機能中綿」アイテムが安価に普及しています。


起源と現在のカテゴリー : スポーツ ⇒ スポーツ
極寒地での作業や、アルピニストのための登山用ギア(道具)として開発されました。現在はタウンウェアとしても定着しています。
用途:冬場の外出、アウトドア、長時間の屋外移動など。
選び方のポイント:
✓ シルエット:サイズ選びはとても重要。タイト過ぎるとインナーとして着る服が制限され、大きすぎると防寒性が下がり、見た目もルーズになってしまいます。「実際に試着」をして、着心地やフィット感、シルエットを考慮してサイズを選びましょう。
✓ 表面素材:見た目に落ち着きがある、艶のない「マットな素材」がタウンユースの主流です。
⑮ MA-1(エムエーワン)(黒、緑、ライトグレー)
着丈の短い、フライトジャケット。時折人気に浮き沈みがありますが、ここ数年は完全に定番化しています。ダウンジャケットが流行る前は「ショート丈防寒ジャケット」のNo.1アイテムでした。


起源と現在のカテゴリー : ワーク ⇒ ワーク
1960年代のアメリカ空軍のパイロット用ジャケット。ジェット機への移行に伴い防寒性を高めるために開発した服。
用途:基本的にはダウンジャケットと同様。着丈が短い為、車での移動が多い日にも便利です。
選び方のポイント:
✓ サイズ:元々パイロット用ジャケットだった為、「他のジャケットより着丈が短めで身幅が広め」という独特のシルエット。中に着るミドル/インナーウェアとの着丈のバランスも確認しましょう。
✓ デザイン:セージグリーンか黒が基本ですが、最近はライトグレーや白など明るめの色も見られます。また、ブランドによっては、より現代風に着丈や身幅、袖丈などを調整しているものもあります。
⑯ステンカラーコート(ベージュ、黒)
スーツの上にも着られる、襟(カラー)が特徴的なロングコートです。他のコートよりも装飾が少なくシンプルで、ビジネスからカジュアルまで幅広く対応する「万能型」のアウターです。


起源と現在のカテゴリー : ワーク ⇒ ワーク
元々は「バルマカーンコート」と呼ばれ、スコットランドで生まれた雨風を防ぐためのレインコートがルーツです。
用途:シンプルなデザインの為、パーカーやジーンズ等と合わせやすい。ゆったりした肩ラインや着丈の長さを活かして、縦長の「Iライン」や「Aライン」シルエットを簡単に作ることができます。
選び方のポイント:
✓ 色:カジュアルに着崩したいなら「ベージュ」がおすすめです。ジーンズにもスラックスにも合う「ベージュ」を選ぶと、コーディネートが明るくなります。黒はドレッシーさを出したい場合に役立ちます。
✓ 素材:秋冬メインならメルトンウールやツイード等の厚手のウール系生地がおすすめです。春~秋用は厚手の綿や化繊素材のものが多いですが、冬にも着る場合はライナー(取り外し可能な中綿)付きを選ぶと良いでしょう。
⑰チェスターフィールドコート(黒、チャコールグレー)
テーラードジャケットの着丈をそのまま長くしたようなデザイン。カジュアルさもある「ステンカラーコート」と比べ、最もドレッシーで品格のあるコートです。


起源と現在のカテゴリー : ドレス ⇒ ドレス
19世紀の英国でチェスターフィールド伯爵が初めて着たことが名前の由来とされる、正統派のオーバーコートです。
用途:冬のデート、高級レストラン、ビジネス、結婚式の二次会など。ダウンジャケットではラフすぎる場面で重宝します。
選び方のポイント:
✓ シルエット:肩で着ることで綺麗な「Yライン」を作ることができます。逆に肩のラインが「広すぎ、狭すぎ」の場合は、ラインが崩れるので「肩幅」がジャストなものを基準にサイズを選びましょう。
✓ 色: 重厚感のある「黒」か、少し柔らかい印象の「チャコールグレー」が鉄板です。
✓ 素材:メルトンウールやツイードなどのしっかりしたウール生地がおすすめです。
5.フットウェア(靴)
「おしゃれは足元から」と言われるように、靴は先端部分に位置するため視線が止まりやすく、全体の印象を締めくくる役割を持っています。
高級ブランドの服を着ていても靴がボロボロなら台無しですし、逆にシンプルなTシャツ姿でも、良い靴を履いていれば「ちゃんとした人」に見えます。
ここではコーディネートに使いやすいベーシックな2種類の靴を簡単に紹介します。
⑱ レザースニーカー(白、黒)
カジュアルウェアにおける「万能選手」です。キャンバス生地ではなくレザー(革)にすることで、軽快さと大人らしさを両立させている点がポイントです。


起源と現在のカテゴリー : スポーツ ⇒ スポーツ
テニスシューズやバスケットシューズが原型のシンプルなデザイン。
用途:ほぼ全てのカジュアルスタイル。ジーンズはもちろん、トラウザーズの外しとしても使えます。
選び方のポイント:
✓ デザイン: 派手なロゴや装飾がない、シンプルな「コートタイプ(テニスシューズ型)」を選んでください。特に「白のレザースニーカー」は、清潔感の象徴のようなアイテムであり、暗い色になりがちな冬のコーデを明るくします。
✓ 素材:本革が一番望ましいですが、最近は良質な合皮も増えきています。質感は本革よりやや劣るものの、手入れの楽さなどもあり選択肢に入っています。
⑲ ドレスシューズ(革靴)(黒)
スーツに合わせるような革靴を、あえて普段着に合わせます。スニーカーより「しっかり感」を出して、足元を引き締めたい時に活躍します。


起源と現在のカテゴリー : ドレス ⇒ ドレス
用途:デートや美術館、またはジーンズなどの「ラフな服」にドレス要素を加えたいとき。
選び方のポイント:
✓ デザイン: ビジネス専用シューズなどのつま先が尖ったデザインよりも、少し丸みのある「プレーントゥ」や「ローファー」などがカジュアルウェアに合わせやすくなります。また、ソールもボリュームのあるラバーソールがおすすめです。
✓ 素材:ドレスシューズはその名の通り「ドレス」アイテムなので、基本的には良質な本革を選びましょう。
6.まとめ
今回紹介したアイテムも、第2章の「3大カテゴリー」をひと通り網羅していることがわかります。
ドレス要素 : テーラードジャケット、チェスターフィールドコート
ワーク要素 : カーディガン、MA-1、ステンカラーコート
スポーツ要素 : クルーネックセーター、ダウンジャケット
ちょっと長くなりましたが、これで第3章と合わせて「春・夏・秋・冬」のすべての定番アイテムと靴が出揃いました。これらの定番アイテムが第2章で述べた「3つのカテゴリー分類(ドレス、ワーク、スポーツ)」にすべて属していることを把握できると思います。
ここまでで、コーディネートの3要素の1つ「1.アイテム(Item)」はひと区切りです。次の章から、「2.色・素材(Color & Material)」を紹介していきます。